学校の校庭などで行われるアマチュアスポーツのグラウンドは,通常巻き尺を用いて設営するが,
人手と手間がかかり大変である.これに対し,筆者らはタブレットに搭載された LiDAR Scanner を活用することで,
一人で簡単にグラウンドが設営できるアプリを開発した.この研究では,ソフトボールのグラウンド設営を例に,
その精度や有用性の検証結果を示す.
関連文献
坂口正道,角谷悠真: LiDARスキャナを活用したソフトボールグラウンド設営支援システムの開発, 第29回日本バーチャルリアリティ学会大会, 1B1-11, 2024
VRにおける他者の存在の提示方法については,ウェアラブルデバイスである骨伝導ヘッドセットを用いた聴覚情報と,
単一の液晶ディスプレイを用いた視覚情報の両方を用いることができる.
私たちは,人が他者についてどのように感じるのかを調査した.
関連文献
高村莉玖, 坂口正道: 視覚および聴覚を利用したVR走行における他者の存在感に関する研究, ロボティクス・メカトロニクス講演会2024, 2P2-S05, 2024
試験監督にはその職務上,技術的な負担と精神的な負担の2つが課せられる.
そこで私たちはVR技術に着目し,これらの負担を軽減する訓練システム提案する.
このシステムの特徴は,能動的な学習が可能であることと自身の習得具合を把握できることである.
もう一つの特徴は,訓練者が疑似体験により自身の経験不足を補うことができることである.
実験では,訓練が精神や学習にどのような影響を与えるのかを調査した.
その結果,双方に対して高い有効性が確認された.
したがって,私たちは技術的,精神的な負担を軽減する試験監督訓練システムを開発できたと言えるであろう.
関連文献
杉山丈斗, 坂口正道: 試験監督バーチャル体験型訓練システムの提案, ロボティクス・メカトロニクス講演会2024, 2P2-S04, 2024
私たちの生活の中には「想定外」の事象が多くあり,日々それに対処するための行動をとる.
これらの行動は冷静に行うことが望ましいが,実際には驚きや焦りにより冷静な対処ができないことがある.
その理由としては,その事象の発生する確率や頻度が低く,経験が少ないことが1つとして考えられる.
また,実際に自分自身がどのような対応ができるのかは体験してみないと分からないことである.
そこで,VR技術を用い想定外事象を体験できるシステムを開発し,脳波と心拍数,アンケートによって人々の反応を計測することを試みた.
関連文献
坂部瑶弥, 坂口正道: VR運転シミュレータによる想定外事象遭遇時の反応計測, ロボティクス・メカトロニクス講演会2024, 1P2-T07, 2024
VR技術を活用したトレーニングシステムは現実の状況を高度に再現し,ユニークな表現と動きの数値化によるリアルタイムのフィードバックを可能にする.
私たちはスイングした際の打撃点の視覚的,定量的なフィードバックを与えるVR訓練システムを開発し,スイングの精度が向上することを確認した.
一方で,個人にあったフィードバックの不足や単調さが課題として挙げられた.
そこで,AIチャットボットを利用してスイング結果に基づいたフィードバックを与えるシステムを構築した.
本研究の目的は訓練者のモチベーションと集中力を維持し,効率的な訓練をサポートすることである.
関連文献
水野雄斗, 坂口正道: AI コーチを導入したVR バッティング訓練システムの開発, ロボティクス・メカトロニクス講演会2024, 2P1-j10, 2024
Stretch-ShorteningCycle運動は,筋の短縮性活動前に伸張性筋活動を行うことで,十分にパワーを発揮させられる運動である.
この運動は,主動作の前に主動作とは逆の方向に運動を行うことで利用できる.
ジャンプであれば,真上に跳ぶ主動作の前に,勢いよく沈み込む動作をすることで利用できる.
本研究では,SSC運動を最も体現できるジャンプと,バドミントンのスイングにて,SSC運動を取り入れることで,競技成績が向上するか調査し,システム作成を目指した.
関連文献
山田遥騎, 坂口正道: Stretch-Shortening Cycle によるスイングスピード向上を目指したVRバドミントン訓練システムの開発, ロボティクス・メカトロニクス講演会2024, 1P2-j02, 2024