温度提示に関する研究
頸部への温度提示による印象誘導
温度は人間や生物にとって重要な環境パラメータの一つです.このため,エアコンやストーブなどの多くの温度制御機器が開発されていますが,これらの多くは温度を一定に保つ事が目的であり,急激に温度を変化させることは想定されていません.温度感覚は,空間分解能や時間分解能はそれほど高くないものの,急激な温度の変化は危険の察知にも利用されており,各種の情報提示に応用できる可能性は高いと考えられます.温度変化を用いたインタフェースの多くはペルチェ素子が用いられていますが,ペルチェ素子の主な目的はCPUなどの機器の冷却などであり,応答速度が速くならないという課題があります.そこで本研究では,熱媒体として比熱が大きく粘度が低い水を用いたシステムを提案します.弁により流れる温水・冷水を切り換えることで提示部の温度を高速に変化させます.これにより,約30℃の温度差を約1秒で切り換えることが可能となりました.このシステムの別のコンテンツと組み合わせを検討しています.
関連文献
早川恭平,小松祐介,坂口正道:温度提示が風景写真の季節感に与える影響に関する研究,第16回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI2015),1L3-6,pp.932-936 (2015)
坂口正道,穂永涼,今井和紀,早川恭平:水の流量を利用した温度提示システムの開発に関する基礎研究,第19回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集,32A-5, pp.448-449 (2014)
Masamichi Sakaguchi, Kazuki Imai, Kyohei Hayakawa: Development of High-Speed Thermal Display using Water Flow, Human Interface and the Management of Information. Information and Knowledge Design and Evaluation. Lecture Notes in Computer Science Vol.8521, pp.233-240 (2014)
坂口正道,今井和紀,清水俊介:水の流れを用いた温度提示システムの開発,第17回日本バーチャルリアリティ学会大会(VRSJ2012),31D-6, pp.459-462 (2012)
坂口正道,尾畑宏幸,清水俊介:温水と冷水を用いた高速温度提示システムの構築,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2012 (Robomec2012),1A1-A01 (2012)
尾畑宏幸,坂口正道,藤本英雄:水とお湯を用いた温度ディスプレイの開発,第12回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI2011), 1I4-6, pp.679-680 (2011)


サーマルグリル錯覚提示
温度感覚に関してサーマルグリル錯覚という錯覚があります.温刺激と冷刺激を交互かつ同時提示するとあたかも火傷を負ったかのような痛みや灼熱感,不快感が生じるというものです.皮膚に損傷を与えることなく,擬似的に痛みを生起させることが可能であるため,この錯覚をヒューマンインタフェースへの様々な応用が考えられます.そこで本研究室では,熱媒体に水を用いて,サーマルグリル錯覚をより多くの人により強く生起可能なデバイスを開発し応用を検討しています.
関連文献
小松祐介,早川恭平,坂口正道:水の流れを用いたサーマルグリル錯覚提示デバイスの試作, 第16回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会 (SI2015),2L1-7,pp.1766-1768 (2015)
小松祐介,早川恭平,坂口正道:サーマルグリル錯覚ディスプレイの提示面に関する考察,日本バーチャルリアリティ学会力触覚の提示と計算研究会第16回研究会, HDC16-02 (2015)


