スイングに関する研究
卓球の回転球対応におけるVR視覚補助エフェクトに関する研究
卓球において、ボールの「回転(スピン)」への対応は勝敗を分ける重要な要素ですが、初心者には軌道変化の予測が難しく、習得を挫折しやすいという課題があります。
本研究では、この課題を解決するため、VR技術を活用した卓球トレーニングシステムを開発しました。システム内では、見えない回転情報を「矢印(SpinArrow)」として可視化し、熟練者の理想的なスイングを「ゴースト(Ghost)」として提示します。さらに、初心者のモチベーションを維持するため、ラケットの角度やスイング速度といったフォームが基準を満たしていれば、物理的にはミスになる打球でも強制的に相手コートへ入る「成功軌道」へと補正する「White Lie(認知的錯覚)」機能を導入しました。
被験者実験による評価の結果、特に対応が難しい「下回転」において、ボール情報(矢印)に集中させるトレーニングがレシーブ成功率の向上に極めて有効であることが実証され、初心者の心理的・物理的な壁を取り除く新しい運動学習支援の形が示されました。

AI コーチを導入したVR バッティング訓練システムの開発
VR技術を活用したトレーニングシステムは現実の状況を高度に再現し,ユニークな表現と動きの数値化によるリアルタイムのフィードバックを可能にする. 私たちはスイングした際の打撃点の視覚的,定量的なフィードバックを与えるVR訓練システムを開発し,スイングの精度が向上することを確認した. 一方で,個人にあったフィードバックの不足や単調さが課題として挙げられた. そこで,AIチャットボットを利用してスイング結果に基づいたフィードバックを与えるシステムを構築した. 本研究の目的は訓練者のモチベーションと集中力を維持し,効率的な訓練をサポートすることである.
関連文献
水野雄斗, 坂口正道: AI コーチを導入したVR バッティング訓練システムの開発, ロボティクス・メカトロニクス講演会2024, 2P1-j10, 2024

Stretch-Shortening Cycle によるスイングスピード向上を目指した
VRバドミントン訓練システムの開発
Stretch-ShorteningCycle運動は,筋の短縮性活動前に伸張性筋活動を行うことで,十分にパワーを発揮させられる運動である. この運動は,主動作の前に主動作とは逆の方向に運動を行うことで利用できる. ジャンプであれば,真上に跳ぶ主動作の前に,勢いよく沈み込む動作をすることで利用できる. 本研究では,SSC運動を最も体現できるジャンプと,バドミントンのスイングにて,SSC運動を取り入れることで,競技成績が向上するか調査し,システム作成を目指した.
関連文献
山田遥騎, 坂口正道: Stretch-Shortening Cycle によるスイングスピード向上を目指したVRバドミントン訓練システムの開発, ロボティクス・メカトロニクス講演会2024, 1P2-j02, 2024


バーチャルバッティングトレーニングシステム
タイミングに着目したバーチャルバッティングトレーニングシステムの開発を行っています.ここでのタイミングとは,投球に対して打つと判断してバットを振り始めるタイミングのことです.従来のタイミング訓練は,何球も投球を見てタイミングを見極めており,正しく見極めできたかどうかの判断が難しいものでした.本研究では,バーチャルリアリティならではの訓練システムにより,タイミングを誘導することで,正しいタイミングを学習することができます.また,訓練時には投球が遮断される遮断投球を使用します.打者の「投球を途中まで見て,その後は予測し球の到達点に目線を先送りする」と言う知見から,打者が本来見ていない部分は見せずに訓練することができます.本訓練システムでは,ヘッドマウントディスプレイによるVR空間の提示をしているため,あたかも自身がバッターになったかのような感覚を味わうことができます.
関連文献
加藤雅人,坂口正道:選球眼を鍛えるバーチャルトレーニングシステムの提案,第17回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2016), 2O3-6, pp.2107-2111 (2016)


