運動錯覚に関する研究

電気刺激と映像を併用した運動錯覚の生起に関する研究

錯覚を利用したリハビリテーションシステムの開発を行っています.外部からの視覚・触覚刺激等によって,身体を自身の意思で動かしていないにも関わらず「動かした」と感じる錯覚を運動錯覚と呼びます.この錯覚はリハビリテーションに利用することで効果が得られることが知られています.本研究では,電気刺激による強制的な身体運動と身体が動く様子の映像を同時に提示することで,運動錯覚の生起させるシステムを作成しました.このシステムにより,電気刺激と映像刺激の併用が運動錯覚に効果を及ぼすことを確認しました.

関連文献

森大樹, 坂口正道: “電気刺激と映像を併用した運動錯覚の生起に関する研究”, ロボティクス・メカトロニクス講演会2020, 1P1-O09, 2020.

森大樹, 坂口正道: “電気刺激と映像を併用した運動錯覚の生起に関する研究 -電気刺激の強度と運動錯覚の関係について-”, 第21回システムインテグレーション部門講演会(SI2020), pp.1918-1921, 2020.

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視覚と触覚の同時提示により運動錯覚を誘発するボール回しシステム

錯覚を利用したリハビリテーション機器の開発を行っています映像などを通して,実際に自分が動いていないにも関わらず,動いたと錯覚してしまうことを運動錯覚と呼びますこの運動錯覚は麻痺のリハビリテーションなどに利用されていますそこで健身球と呼ばれる二つのボールを回すリハビリテーションに着目し,患者の手に重ねたモニターでボール回しの映像を見せながら,実際に回っているボールを患者の手に押し当てる装置を開発していますこの装置により,患者は視覚と触覚でボール回し運動を体験でき,強い運動錯覚を起こすことができることを確認しました.

関連文献

坂口正道, 馬場健太郎:運動錯覚を誘発するボール回しシステムの視覚と触覚の同期に関する研究,第20回日本バーチャルリアリティ学会大会, 11A-3, pp.9-11, 2015.

馬場健太郎,坂口正道:リハビリテーションを目指した視覚と触覚を同時に提示するボール回しシステムの開発,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2015,1P2-M08, 2015.

馬場健太郎,坂口正道:視覚と触覚の同時提示により運動錯覚を誘発するボール回しシステムの開発,第15回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会,1K1-4, pp.783-784, 2014.


鏡像運動を利用したリハビリテーション支援器具の開発

片麻痺患者のための上肢リハビリテーション支援機器の開発を行っています.現在,片麻痺の回復を図る方法の一つとして,Cミラーセラピーが行われています.これは健常肢が映った鏡の裏に麻痺肢を置き,鏡を見ながら健常肢を動かしたときに,あたかも麻痺肢が動いていると錯覚する現象を利用したリハビリテーションです.本研究では,このミラーセラピーに着目し,錯覚ではなく実際に麻痺肢を動作させることによって,よりリハビリテーション効果が高まると考え,健常肢の動きを麻痺肢に伝える機器を開発しました.本装置は誰でも手軽に利用できるように,モータ制御やコンピュータ操作などの専門知識を必要としないシンプルな構造とし,訪問看護でのリハビリテーションが行えるよう,軽量で持ち運びが可能な設計を行いました.今後は,実際に医療や介護の現場で使用して,十分なリハビリテーションの効果が得られるかを検証したいと考えています.

関連文献

Kosuke KITOMI,Masamichi SAKAGUCHI,Mitsuya HORIBA,Ikuo WADA:Development of the Mirror Therapy System with Tactile Sense Presentation,Proceedings of the 6th International Conference on Advanced Mechatronics (ICAM2015),1A1-02,pp.3-4 (2015).

木富康介,坂口正道,堀場充哉,和田郁雄:触覚提示機能を付与したミラーセラピーシステムの開発,第20回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集,32A-3, pp.383-386 (2015).

安部沙織,木富康介,坂口正道:鏡像運動を利用したリハビリテーション支援器具の開発,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2015 (Robomech2015),1P2-L08 (2015).